3.11から10年目を迎えて思うこと

あれから10年。あっという間でした。

ご家族を亡くされたご遺族の方々には深くお悔やみ申し上げます。

愛する家族や友人や恋人を亡くされた方々の悲しみはいかほどか想像し得ません。あの時と比べて自分も家族が増えたので、その愛する存在が一瞬にして無くなると想像すると、胸が苦しくなります。

もしかしたら、自分が犠牲者だったかもしれない、自分の愛する人が犠牲者だったかもしれないと思うと、今生きていることが本当に奇跡的で、感謝すべきことだと思うしかありません。そう思うと生きているこの体をより良く作り、より良く使っていくことが大切だと思うしかありません。自分を生かして下さった神様に感謝します。自分を育てて下さった家族や友人に感謝します。

あの時、自分はすぐに災害医療の研修を受けて、現地の医療支援に行きたいと志願しました。結局派遣されたのは震災後1か月半頃でしたので、急性期の災害医療ではなく、亜急性期から慢性期になる頃の後方支援病院の医師不足を補う形で派遣されました。

救急医療などの急性期医療を長くやってきて、気付いたのは病気が発症したり、災害が起こったり、事故に合ったり・・・何かが起こってからでは治療が難しいことが多いということです。

やはり、事が起こる前に予防するのが本当に大事だということに行きつきました。今は開業し、より予防医学側に従事するようになりました。予防医学に徹すると、予防の一番源流は「考え」だと思いました。考えが行動になり、その行動が病気などに繋がっていくことが多いからです。

その「考え」にメスを入れられるのが最高の予防だと私自身は考えます。これは、まさに聖書の御言葉で学んできたことであり、その御言葉こそが考えにメスを入れることができる治療の1つだと思います。

「自ら気をつけなさい」

この言葉は教会で学んだ言葉ですが、まさに様々な予防につながる核となる言葉の1つかと思います。そんなの当たり前と思う人も多いかと思いますが、多くの人はその当たり前の言葉を伝え、聞いて、大切にすることは普段はしないと思います。信仰を持つとその言葉を大切にし、実際に生活で実践するようになるので実際に効果が出てきます。

10年を振り返って、改めて信仰を持ってこの10年間を生きてこられたことにも感謝したいと思います。

この先の10年が自分にとっても、家族にとっても、皆さんにとってもより良い10年になることを祈っております。

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この記事を書いた人

天運教会(キリスト教福音宣教会)に所属する、総合内科、消化器内科、内視鏡を専門とする医師です。救急・ERやへき地医療を経験し、病院勤務医を経て現在はクリニックを開業し経営者となりました。2児の父でもあり、子育てと仕事の両立に奮闘しています。

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