去年の秋。家族みんなで楽しみにしていた園の運動会も終わり、また新しい1週間が始まろうとしていました。
2歳半の息子は、なんとなく目が腫れぼったかったけれど、土日でたくさん遊んだし疲れも出てきてるよね、とそれほど気にもせず登園。お昼ごろに担任の先生から電話があり、「今日、身体測定をしたんですが、ひと月で2㎏も増えていて。足の浮腫みもちょっと気になるので、念のため小児科受診してもらえませんか?」とのことで、ここ数日、アイスとか甘いもの多めだったかもと反省しながら、夕方いつもより早めにお迎えに行って、小児科へ行きました。
息子は元気そうには見えましたが、何もないといいなと思いながら、心の中で神様を呼びました。しかし、簡単な血液検査と尿検査をした後「小児ネフローゼという腎臓の病気の疑いがあるので、精密検査のため、このまま大学病院へ行ってください」と紹介状を渡されてしまいました。
時間は17時頃。旦那さんに電話して状況を伝え、早く帰って来てもらえるように要請を出しました。お姉ちゃんも園で待っているので、まずは園に迎えに行くことに。冷静を装いながらも、頭の中では、病院に向かう前に何を準備したらいいか、ごはんはどうしようか、などいろんなことがぐるぐる回っていました。
帰宅後、ひとまず子どもたちには、冷凍ストックしていた焼きおにぎりや、大好きなプチトマトを食べさせ。私は紙袋に、息子のお気に入りのぬいぐるみたちを詰め込み。着替えが必要ならまた明日でもいいか、とにかくお腹が空かないように、寂しくならないようにという思いでした。そうしているうちに、お姉ちゃんが幸いにも寝落ちしてしまい、間もなく旦那さんが帰宅。旦那さんにお姉ちゃんを任せて、紹介状と、最低限の荷物を持って、息子と二人でタクシーに乗り込みました。
「これからね、病院に行くんだよ。おなかさんが元気が無いから、診てもらうんだよ」と話しかけながら、何もわかっていない息子を不安にさせないように楽しく過ごしました。
おもちゃで遊んだり、家族の写真アプリを見たりするうちに呼ばれ、採血と採尿のために息子だけ連れて行かれました。しばらくしてから戻ってくると、目が赤く、大泣きしたのがよくわかりました。抱っこしながら、狭いお部屋で再び待たされた後、当直の小児科の先生が入ってこられました。…え!これから1か月の入院!?予想外の展開に愕然としました。
小児ネフローゼ症候群。小児の慢性腎疾患で最も頻度の高い難病。尿中に大量のタンパク質が漏れ出て、血液中のタンパク質が極端に少なくなることで、むくみや腹水が現れる。息子が1か月で2㎏も体重が増えていたのは、腹水が溜まってしまったからとのことでした。
図を描きながらいろいろと説明してくださった中には、「ステロイド治療、長期的な使用には副作用が伴う。成長が止まる、骨粗しょう症、緑内障、うつ、高血糖、高血圧、脳症…」と恐ろしい言葉がいっぱいで、なんとか概要を掴むのに必死でした。
結局、緊急外来から小児病棟に向かったのは22時を過ぎていて、息子は疲れて眠ってしまい、それでも早速、薬を飲まないといけない状態とのことで、無理やり薬を飲ませて、ベッドの上で寝かしつけ、ベッドについている柵をそおっと上げて、病棟を後にしました。
帰宅中、前日に家の窓に張り付いていた「おなかの大きなカマキリ」を思い出しました。珍しくて、子どもたちにも見せて、お腹が大きいね、卵がたくさん入ってるママカマキリだね、手を合わせてお祈りしてるみたいだねー、とみんなで観察していたのですが、これは、神様が前もって見せてくださったのかもと感じるようになりました。腹水でおなかが大きくなってしまった息子と、カマキリの姿が重なり、息子の回復のためにたくさんお祈りしよう!と神様がおっしゃっているのではないかと感じました。
心配していたじいじ・ばあばにLINEで状況を伝え、教会の同世代ファミリーのトークルームにも、息子の状況とお祈りしてほしいというメッセージを送ると、みんなびっくりして、お祈りしてくれる顔のちびスタンプを押してくれていました。ひとりじゃない!神様がいてくださるし、支えてくれる人たちもいる!と心を保ちながら帰宅したのでした。
(続く!)