突然、「腎臓の難病」「ネフローゼ」「1か月の入院」と言われた2歳半の息子。緊急入院した大学病院の小児病棟は、家族が付き添っての寝泊まりはできず、柵付きベッドの中に、疲れて寝てしまった息子を置いて帰宅しました。夜遅くに家に着くと、旦那さんはお姉ちゃんの添い寝をしてそのまま寝落ちしていたため、声を掛けて、病院でのあれこれを説明。ひとまず祈ろう、と旦那さんと一緒にお祈りすると、涙があふれてきました。
突然の入院になってびっくりしていること、医師の説明で聞いたステロイド治療の副作用が恐ろしいものばかりでなんとか避けたいということ、息子が一日も早くよくなって帰って来れるようにということ。頭に浮かぶことを祈るうちに、それでも、ここまで自覚症状もなく元気で、一昨日には運動会にも出られてよかった、園の身体測定がこのタイミングになって、異変に気付いてもらえて本当によかった、こういう事態にはなってしまったけれど、神様が最大限、状況を守って下さったのではないかとも思えて、感謝の思いが出てきました。心配は尽きないけれど、祈ることで、神様に告げることで、今回も安心感が得られるのを感じて、祈ることを知っていてよかった、神様への信仰を持っていてよかったと思いました。
朝起きると、前日の夕方から弟もママもいなくて寂しくなっていたお姉ちゃんが抱きついてきました。お姉ちゃんも5歳でいろいろと理解できる年齢でもあり、早速、弟のために、なんやら一生懸命プレゼントを作ってくれていて、寝る前にも父と一緒にお祈りしたとのことでした。いつもは子乗せ自転車の前と後ろの席、誰がどっちに乗るか争いをしているのに、この時ばかりは、弟が帰ってきたらしばらくは弟が好きな後ろの席を譲ってあげるんだ、と姉なりの優しさを見せていました。
面会時間は11時~21時なので、お姉ちゃんを園に送って、家に戻って少しだけ仕事をして、再び自転車で病院に向かいました。
病棟に行くと、目が線になってしまうぐらいまぶたが腫れている息子がいて、びっくりしました。足も浮腫んでしまって、おなかもパンパンになっていました。それでも、息子自身には身体の痛みはないようで、お岩さんのような顔になりながらも、いつものように変顔をしてみたり、部屋の中を動き回ったりする姿にほっとしました。
この病気の原因はよくわかっていませんが、仕組みとしては、腎臓の糸球体というところで炎症が起こって、血液のろ過機能が低下し、血液中の蛋白質が尿中に流れ出てしまうとのこと。それで、浸透圧の関係で、血液中の水分も血管外に漏れて、皮膚の下の組織に水分が溜まることで浮腫んでしまうとのことでした。水分をどれぐらい飲んだか、尿がどれぐらい出たかの記録用紙があって、おむつ替えのたびに重さを計ることになっていましたが、尿の量も本当に少なくなっていて、状況の変化にショックを受けるとともに、このタイミングで入院できたことに改めて感謝の思いが出てきました。
長いようでもあっという間に時間は過ぎていき、帰る時間という試練が近づいてきます。今日はママと一緒に帰れないんだよ。おなかがぽんぽこりんになっちゃったから、お薬飲んで、もう少しだけ病院でねんねしたら治っておうちに帰れるからね。ママはもうすぐ行かないといけないんだけど、このあと看護師さんと夜ご飯食べたら、すぐお父さんが来るからね。と何度もお話しして、抱っこして一緒にお祈りもしました。
園にいるお姉ちゃんのお迎えリミットもある中で、息子とは別れなければならず、帰り際はかなり辛い時間でした。ママ行かないでー!と泣き続ける息子のベッドの柵を上げて、姿が見えなくなるまでお互いに手を振り、私は病棟の出入り口まで小走りし、ごめんねと言いながら、急いでお姉ちゃんのお迎えに行ったのでした。旦那さんは、仕事帰りに病院に寄って、息子を寝かしつけてから帰宅。あとになって看護師さんが教えてくれましたが、旦那さんは息子が不憫に思えて、よく男泣きをしていたそうです。
ありがたいことに、入院した翌々日には、お義母さんが駆け付けてくださって、生活が落ち着くまで、家事、料理、お姉ちゃんの相手をしてもらえることになりました。家のことをお任せできて、毎日手作りのご飯も出してもらえたことも、私たちにとって本当に大きな支えになりました。
(続く!)