日常生活でコミュニケーションギャップが発生することはよくあります。
仕事の場面でも
- 他部署とのコミュニケーション
- 上司と部下とのコミュニケーション
- 他社とのコミュニケーション
これらのコミュニケーションギャップが発生するのは、「具体と抽象」という法則が存在するからです。
この「具体と抽象」という法則を知ると、世界が違って見えるようになります。
大学教授の授業がなぜわかりにくいのかも、「具体と抽象」の法則によって説明ができます。
私は、IT教育を専門として仕事をしていたので、伝え方に関してはもう5年以上研究し、勉強をしてきました。
そんな私が、「具体と抽象」の法則を知ったとき、何度も膝を打ちました。
なぜコミュニケーションギャップが生じるのか、全ビジネスマンが必ず役立つ「具体と抽象」について解説します。
本記事は、「具体と抽象」という本を参考にしています。
具体と抽象とは何か
「具体と抽象」とは、何を基準にするかで相対的に決まります。
具体例をあげて対比しながら「具体と抽象」を説明します。
例えば、「魚」と「マグロ」を比較して考えます。
「魚」と「マグロ」は、どちらが「抽象」と「具体」にあたるかわかりますか?
直感的に
「マグロ」=「具体」
「魚」=「抽象」
となるのはわかると思います。
その他にも、「サバ」、「カツオ」といったものも、抽象化すれば「魚」となります。
このように、植物、動物といったあらゆる名称すべては、具体と抽象の関係によって名付けられています。
全ては、何を基準にするかで具体と抽象が決まります。
もし、植物や動物を「具体」とするなら、「生物」とまとめて「抽象」として表すことができます。
今行った「具体→抽象」にすることを「抽象化」と言い、
「抽象→具体」にすることを「具体化」と言います。
コミュニケーションギャップが起きる理由は、すべて「具体と抽象」のズレである
大学教授の授業が難しい理由は、話が抽象的すぎることが多いからです。
抽象化された公式や専門用語、これらを多用して話すがゆえに、何を言っているのかわからなくなります。
抽象的な専門用語を多用すれば話が短くなるので便利です。しかし、具体の話を忘れると、学生が教授の話についていけなくなります。
では、具体の話ばかりすれば良いかと言われるとそんなことはありません。
もし、具体ばかり話してしまったら、結局何が言いたいのかがわからなくなるからです。
例えば、部屋の片付けを指示するときに、
「本は本棚にしまって、お皿は食器棚に戻して、鉛筆と消しゴムはまとめて机の一番上の引き出しにしまって、飲み物のコップは洗って…」
と細かく具体的に指示されたら「要は片付ければ良いですよね?」となります。
具体的な話ばかりすると、話が長くなって「結局この人は何が言いたい?」と思われてしまいます。
具体だけを話すから情報量が多くなり、話が結局わかりにくくなってしまうのです。
逆に、「部屋を片付けておいて」とだけ言われたら、何をどう片付けたら良いかわからない人が出てくるかもしれません。
抽象ばかりを話してはいけないし、具体ばかりを話してはいけない。
ではどうしたら話がわかりやすく伝わるのか。
それは、「具体と抽象」を適切に行き来して伝えることです。
例えば、1分で伝えたいことを伝えるとき、
最初に結論を伝え、そのあと具体的なストーリーを話し、最後にまとめを話すとわかりやすくなります。
これも「抽象→具体→抽象」の行き来をしているからこそ、わかりやすく伝えることができます。
この「具体と抽象の行き来」が適切であるほど、多くの人に理解されやすい伝え方ができるようになります。
具体と抽象のズレは、ネット上でもしょっちゅう起きます。
Twitterは、140字という限られた文字数で伝えたいことを表現しなければいけないので、基本的に抽象的な表現になりがちです。
ネット上にいる無数の立場の人が、様々な具体の捉え方をします。
そうすると、炎上に発展したり、不毛な議論が大量にネット上で発生します。
そんなとき、「具体と抽象」の法則を知っていると
「抽象的な表現に対して、それぞれの具体の捉え方がある」ということを理解できるようになります。
そうすると、ネット上の不毛な議論を客観的に捉えることができるようになるはずです。
「なぜ」を問い続けると抽象化できる
わかりやすく相手に伝えるためには、「具体と抽象の適切な行き来」が重要であると話しました。
実は、ビジネスでも「抽象化」と「具体化」をすることはとても重要です。
やり方は、
抽象化をしたければ「Why(なぜ)」を問い続ける。
具体化をしたければ「How(どうやって)」を問い続けます。
例えば、会社の売上が落ちている原因を抽象化して考えてみましょう。
売上が落ちている
↓なぜ
人が店舗に来なくなったから
↓なぜ
コロナによって外に人が出なくなったから
こうやって「Why?」を問い続けることにより、抽象化することができます。
そして、抽象化をすることにより、「コロナによって外に人が出なくなった」という根本的な原因が見えてきます。
では、今度は具体化するために「How?」を問いかけてみましょう。
すると、「オンラインでの販売」や「店舗数を減らす」、といった具体的な対策が出てくるようになります。
このように、抽象化→具体化という思考を使う場面は、ビジネスで役に立つので是非活用しましょう。
抽象化すると結局は神様の愛に行き着く
さて、先程の「コロナによって外に人が出なくなった」からさらに抽象化すると、必ず「宇宙が誕生したから」に行き着くはずです。
コロナによって外に人が出なくなったから
↓なぜ
コロナという自然災害が発生したから
↓なぜ
地球が存在するから
↓なぜ
宇宙が誕生したから
どんな事象や概念も「なぜ?」を繰り返して抽象化すれば、必ず「宇宙」へと行き着きます。
ぜひやってみてください。(うまく抽象化できないと宇宙にたどり着かないので注意)
もし、私のように神様を信仰している方は、宇宙の誕生からさらに抽象化することができます。
宇宙が誕生した
↓なぜ
神様が創造したから
↓なぜ
神様が人間を創造するため
↓なぜ
神様が人間を愛しているから
抽象化を続けると最終的には、「神様の愛」にたどり着きます。(ちなみに、神様の愛からさらに抽象化することは私にできませんでした。)
この発見には、信仰を持っている私としては興奮しました。
抽象化すると、この世のすべてが「神様の愛」でできていることを理解しました。
「具体と抽象」という法則を作った神様はすごいなと感嘆しました。
人間は、「具体と抽象」という法則を発見したにすぎません。
「具体と抽象」という法則が自然発生的にできたとしたら、ちょっと出来すぎかなと思います。
「具体と抽象」の法則を知れば知るほど、あまりにも美しいから。
更に言うなら、「具体と抽象」という法則を扱えるのは、「人間」しかいません。
その他の生物は、絶対に抽象化や具体化といった作業ができないんです。
もし抽象化や具体化ができる動物がいたら、数字や言葉を扱えることになってしまいます。
だから、犬はりんごを見ても、見たままの物体としか捉えることができません。
しかし、人間は、りんご1つ見るだけでも「果物」と捉えることができるし、人によってはりんごが作られた背景まで様々に捉えることができます。
最後に:目標を立てるときはとことん「具体化」しよう
具体化と抽象化は、神様が創造した素晴らしい法則だし、人間しか使えない特許です。
使わない手はありません。
まずは、伝えるときには具体と抽象の行き来を意識しましょう。これは、たくさん訓練して上達するしかありません。
そして、思考をするときはまず「なぜ?」を問いかけて抽象化してみることが大事です。
そうすると、より本質的なものに近づいて思考することができます。
また、抽象化するだけでなく「どうやる?」を問いかけて具体的な対策を考えることも大事です。
もう1つ実践できることは、目標を立てるときにとことん具体化することです。
「早起きしよう」という目標を立てるのではなく、もっと具体的に。
「5時に起きたら友人にスタンプを送って、6時に友人とzoomをつないで30分朝活をする。5時までにスタンプを送れなかったら友人にコーヒーをおごる。」
このぐらい具体的で、やらざるを得ない目標に設定したらやるしかありません。
目標は、とにかく具体的に。思考をするときは、抽象的に。
ぜひ今日から取り組んでみてください!
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